内容説明
本書は、セラピストにとって最も基本となる対話による心理療法の技法的工夫を続けてきた著者が、日常臨床から問題を汲み上げつつ、心理療法の重要概念を展開した画期的な指導書である。面接の始め方から見立て、クライエントの主訴に焦点をあてた共感と理解、転移と逆転移の技法、ロール・プレイなど、現場において活用可能な効果的知見を解説。さらに全編に多くの事例を挿入し、治療者の基本姿勢から対人場面での気持ちの交流、場の雰囲気、治療困難とされる境界例への面接のこつ、滑らかな導入の方法、などについて記述する。
目次
第1部 心理療法の構造と原則(心理療法の開始について;対話による心理療法のいくつかの基礎について;面接方法の提示と選択;共感と理解―自己理解と他者理解;心理療法における自己認識の指標 ほか)
第2部 心理療法の実践と応用(神経症面接の工夫;心身症と心理療法;アノレキシアとアイデンティティ問題;境界例患者との面接で気をつけるといいだろうこと;境界例水準のコミュニケーション様式―特に治療の極期における対話について ほか)
著者等紹介
溝口純二[ミゾグチジュンジ]
1978年上智大学大学院文学研究科博士課程単位取得満期退学。臨床心理士。現在、東京国際大学大学院臨床心理学研究科教授
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