内容説明
いじめや不登校、さらに学級崩壊などの問題で、今日の学校は深刻な課題を抱えているが、学校現場にふさわしい実践的で直ちに応用可能なカウンセリングとして、ブリーフセラピーが今最も注目されている。個人の内面よりも2人以上の関係性、過去よりも未来、そして問題よりも解決や肯定面に注目するこの方法は、時間的制約、過度のケース、家族がらみの問題、継続が難しい状況、多人数への対応などにも対処でき、また来談への動機づけの低い児童生徒にも適用できる方法である。学校専任ブリーフ・セラピストとしての実績をもち、新進気鋭の研究者でもある著者は、「何がうまくいくのか」という観点から、実際に現場で体験したことがらに基づいて、初回面接の査定から、介入、進歩の評価と維持までの各段階を、事例に即して具体的に描きだしている。数多くの面接場面を引用し、さらに、役立つ介入のための文献の紹介もなされているため、学校カウンセラー、現場教師はいうまでもなく、研究社や相談員、さらに、学校の問題に関心のある多くの人々にとっても、極めて有益なものである。
目次
第1部 基礎(ケニー:何が効いたのか;効果的な介入の実証的根拠)
第2部 短期介入アプローチ(査定:初回面接;介入(クライエントが一番よく知っている;もしうまくいかなかったら、何か違ったことをしなさい)
進歩を評価し維持する)
第3部 事例と結論(ラリーの事例:すでにうまくいくところに取り組む;マリアの事例:論理がしっくりこない場合;挑戦と最後の言葉)