内容説明
本書は、妄想を時代や地域などの状況因からとらえる論考、そして著者の長年の臨床経験からみた分裂病者の直面している諸問題を扱っている。妄想という臨床主題は患者個人の産物にもかかわらず、その時代の病者の生きざまを履歴書のごとくに記録に留める。わが国の激動の時代における分裂病妄想主題の変遷を辿ることにより、本書は分裂病の妄想論の展開に新たな照明を与えることになろう。
目次
第1部 妄想の精神病理(妄想と時代背景;精神分裂病における妄想主題の時代的変遷について;妄想主題における「宗教的なもの」の意味;分裂病の妄想主題における比較文化精神医学的検討 ほか)
第2部 分裂病をめぐって(分裂病の軽症化をめぐる問題;リュムケの精神病観;ある分裂病者の経過と予後;分裂病者の社会適応と治療的背景 ほか)
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