内容説明
本書には著者が手がけた365例のなかから精選された精神鑑定例と、被鑑定人の供述心理に関する論考が、まとめられている。分裂病、躁うつ病、覚せい剤中毒、そして著者がとりわけ多く手がけてきたアルコール酩酊での、責任能力の判定が論じられており、分裂病の殺人衝動、うつ病の性欲亢進、覚せい剤中毒の薬物への異常反応など新しい発見や見解に溢れている。また、犯人が時間が経つにつれて犯行がなかったと信じ込む心理や、“真犯人”を自分以外にでっち上げる心理が紹介されており、逮捕直後の供述が、時間が経って妄想追想が現れる時点の供述よりも、記憶に間違いがないと著者は指摘する。
目次
1 精神鑑定
2 精神分裂病
3 躁うつ病
4 アルコール酩酊
5 覚せい剤中毒
6 拘禁反応・詐病
7 供述心理