内容説明
本書では、分裂病の家族療法を歴史的な視点から写しだし、新たな発展の礎を築くことを試みている。編者自身の長年の経験をまじえた家族研究・家族療法の概説に始まり、二人の分裂病者の生じた家族、慢性化した病者を抱えた家族、家族史的な家族療法へのアプローチ等々、本領域での先達から気鋭の臨床家まで、さまざまな立場で行なわれてきた分裂病の家族療法の実際が、治療にあたる者の苦闘の足跡とともに描き出されている。
目次
総論 精神分裂病の家族療法
事例(2人の分裂病者が生じた情宣的な家庭にみられた十余年間の変遷;精神分裂病者の家族面接;誰でもできる「小家族療法」の一例―精神科診療所の立場から;家族内病識療法―Tereko Tereko現象;妄想型分裂病患者の家族療法の経験―複合両親集団精神療法の治療的意義を中心に;分裂病者の家族治療―家族同席面接の必然性;家族史的家族療法を試みた―分裂病事例;「家」―単なる住居を超えるもの―の鎮静効果について;一分裂病患者とその家族に対する家族療法の経験)
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