内容説明
自己愛パーソナリティ障害の概念は、DSM‐3でとりあげられ、またカーンバークとコフートが幼児期の誇大自己の観点から論じ、今日もっとも注目を浴びる理論の一つとなっている。コフートの理論は、被分析者の自己愛の検討から出発した。そして、フロイトが欲動と防衛を重視するのにたいし、二つの極を持った自己なるものを考えた。本書はコフートが行なった講義と討論の記録をまとめたものであり、難しいとされる理論が、わかりやすく述べられ驚くほど平易に説かれている。
目次
第1章 自己愛をめぐっての価値判断
第2章 自己愛と対象愛の分離した発達ライン
第3章 自己評価が形成される早期段階
第4章 共感的環境と誇大自己
第5章 自己評価を調節する心的構造の形成
第6章 賞賛する自己対象と理想化された自己対象
第7章 内在化された価値、理想、目標の獲得