内容説明
家庭内暴力や非行が今日多発し、医療機関や学校がその対応に追われている。ところが、その医療機関に働く医師・看護者自身や学校で教える教師自身の精神衛生問題も、燃えつき症候群の名でクローズアップされてきた。病者の精神健康を守る医師・看護者と、学童を教育指導する教師が精神の危機に見舞われている現状を分析し、その燃えつきへの対応策を論ずることは、一刻も早く果たすべき緊急の課題であった。本書はそのための里程標として、生まれるべくして生まれた書である。本邦初の研究調査報告書。
目次
第1章 対人専門職の受難の時代
第2章 調査にみる医師、看護者の燃えつきの背景(米国おける燃えつき現象研究の動向;わが国の燃えつき現象全国調査の概要;背景別にみる医師、看護者の燃えつきと精神健康;一般医の燃えつきの心理社会的背景;精神科医の燃えつきの心理社会的背景;看護者の燃えつきの心理社会的背景)
第3章 中学校教師の燃えつき状態の心理社会的背景
第4章 対人専門職のメンタル・ヘルス対策(燃えつきる新卒者の背景とリアリティ・ショック対策;看護管理者のメンタル・ヘルス対策;医師のメンタル・ヘルス対策;受難の歴史的背景と克服策;「おまかせ」医療から「自己責任」へ;自我理想と社会制度の矛盾)