内容説明
ゲーテは若い頃、地質学に関する職についていた。宮澤賢治も、若い頃地質学を学んだ。中国の漢詩と地質学との関係を探り、ギリシア神話と地中海の地質を語る。文学と地質学の接点はどんなことか。岩石学を専門とする地質学者である著者は、文学作品の舞台である土地に興味をもって旅行した。本書は、著者が旅した文学作品の舞台を、著者の専門である地質学の知識と文学の教養をもって縦横にその接点を解き明かす。
目次
第1章 スタインベック『怒りの葡萄』とルート66
第2章 ゲーテの『ファウスト』と花崗岩の成因、『イタリア紀行』における地質学的観察
第3章 宮澤賢治の『春と修羅』とノヴァーリス『青い花』に共通するもの
第4章 漢詩をとおして見た中国の地質
第5章 魯迅と地質学の接点を探る
第6章 大岡昇平の作品と地質学
第7章 『ニルスのふしぎな旅』『ペール・ギュント』と北欧の地質
第8章 地中海東部の地質とギリシア神話
付表 地質年代表と地球上でのおもな出来事
著者等紹介
蟹澤聰史[カニサワサトシ]
1936年長野県生まれ、1964年東北大学大学院博士課程修了、東北大学大学院理学研究科教授、山形大学理学部教授を経て、東北大学名誉教授。理学博士。岩石学、地質学、地球化学が専門(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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