出版社内容情報
地域はいかに形づくられたか?歴史地理学から紐解くシリーズ第1回配本
日本の国土の半分は、山村が占めている。過疎化、限界集落、廃村の危機といわれるが、我々は山村をどれだけ知っているのか?奈良・京都の都の後背地として古くから重視され、現在では熊野古道などの人気スポットである紀伊山地を例に、山村の成り立ち、人と森林の深いかかわり、西行ら歌人や博物学者たちとの奥行きのある歴史、山岳宗教や修験道、山村の暮らし、焼畑と林業、そして近代以降の変遷を、歴史地理学から描く。
目次
はじめに(山村という視点;「限界集落」の時代に;紀伊山地という事例)
第1章 自然環境と集落立地(急峻な西南日本外帯;温暖多雨の森;山と森の村々)
第2章 山の民と聖地の系譜(古代の伝承と痕跡;山岳宗教・修験道の成立;山の荘園と「山民」たち;山村地域が迎えた「近世」)
第3章 山村の生業と植生の変化(多彩な産物と生業;博物学者がみた近世後期の山村;火を用いた巧みな森林利用;焼畑と林業のあいだで)
第4章 山村の近現代(人口動態と過疎化;多様な生業の衰退;林業の経済地理のなかで)
おわりに
著者等紹介
米家泰作[コメイエタイサク]
京都大学文学研究科教授。1970年奈良県生まれ。京都大学大学院文学研究科修了。博士(文学)。専門分野:歴史地理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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