目次
第1章 地名の起源と機能
第2章 大海洋の地名
第3章 地名の翻訳と翻字
第4章 方角地名
第5章 東アジアから見た内生地名と外来地名の二分法的地名論
第6章 内生地名と外来地名
第7章 漢字文化圏における地名標準化
第8章 地名をめぐる国際関係
第9章 地名は誰が決めるのか
第10章 地名行政の確立に向けて
第11章 地名は誰のものか―まとめに代えて
資料 報告「地名標準化の現状と課題」
著者等紹介
田邉裕[タナベヒロシ]
1936年生まれ。1959年東京大学教養学部卒。1963年同学大学院数物系研究科地理学専攻中退。1966年理学博士。1966‐68年レンヌ大学留学。1959年国際基督教大学助手、1963年東京大学教養学部助手・助教授・教授・名誉教授、1997年慶応義塾大学経済学部教授・特選塾員、2002年帝京大学経済学部教授・学部長、2013年広尾学園中学・高等学校校長、2014年環太平洋大学特任教授、2019年村田学園学園長。この間、パリ第七大学客員教授、パリ大学都市日本館館長、国際地理学連合副会長、国連地名標準化会議日本代表、国連地名専門家会議日本代表・東アジア部会会長などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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フルボッコス代官
2
これは良本だわ。新聞広告見て書店で買ったんだが、地名というものの起源・その派生形態・命名を巡る国際的なゴタゴタなど、地名愛好家として興味を引く内容ばかりであった。漢字文化圏の地名の派生やその局地的命名など、納得のいく論評が多くて面白かった。例の日本海・東海問題にも若干の論が付せられており、その方向性には首肯させられる。2020/10/09
siomin
1
その地名を決めるのは誰なのか、とくに日本の場合は政府が率先して規定しているわけではないので、扱いがあやふやになっていることを指摘しています。南アルプス市を例にしてあげてますが、安易にアルプスを名乗ってよいのか、長野県や静岡県を差し置いて山梨県の一地域が南アルプスとつけてよいのか、ローマ字に表したときや中国人相手にどのように表記すべきなのかなど、問題点を列挙しています。ほかにも地名の問題点を列挙しており、政府で委員会を設置すべきとしていますが、地名は生活に深く根付く故、解決は難しそうです。2022/02/11