内容説明
人間は自然の中で生かされている生物のひとつである。人間諸活動の中心舞台は地表である。地表の形態である地形はつねに変化し、場の条件によって固有の変化の特性をもっている。人間はそれぞれの地形に適応し、さらには、より効率的な利用法を求めながら生活圏を拡大してきた。したがって、人間の歴史は自然との共生や対立の歴史でもある。そこで、人間活動の舞台である自然環境のベースとしての地形について、その成り立ちや性質、特徴を把握し、それぞれの地域での人間活動の様相をたどり、地形と人間とのかかわりを検討してみたい。
目次
京都―盆地の地形と人間活動
近江盆地・琵琶湖―日本最大の湖を湛える盆地
奈良―古都を育んだ内陸盆地
大阪平野―改変され続けた土地と川
瀬戸内海―沿岸低地のなりたちと地形環境
南九州―活火山と巨大カルデラのある風景
ロッキー中部―グレートベースンの自然環境
ハワイ―熱帯火山の自然と開発
アイスランド―広がる変動帯と寒冷地域の火山風景
ラ・セーヌとパリ―フランスの大動脈と心臓
アフリカ東部―大地溝帯と人類誕生の地
中国―長江流域の地形環境と土地開発・災害
著者等紹介
池田碩[イケダヒロシ]
1939年福岡県生まれ。1965年立命館大学大学院修士課程修了。現職は奈良大学教授。専門は自然地理学・地形学
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