内容説明
20世紀科学の新しいパラダイム、プレートテクトニクスの確立に貢献したのは、深海掘削計画だ。この計画の中心を担ったのが、1968年に就航したグロマー・チャレンジャー号であった。チャレンジャー号の功績は地球科学に革命をもたらした。その堆積学的発見は、本書の著者ケネス・J・シュー教授が「干上がった地中海」説を提唱する根拠となった。これは着想がユニークであるだけでなく、堆積学者としての著者ならではの問題の本質へのアプローチがあった。シュー教授は、そのチャレンジャー号に乗り込んで指揮した主席科学者としての奮闘振りをThe Mediterranean Was a Desertに著した。本書はその日本語版。
目次
発想の芽生え
JOIDESの友
リスボン、1970年8月13日
危機と試練
ジブラルタルへ戻る?
マーフィの法則
異常な礫の堆積物
実行延期
終わりよければすべてよし
地中海の失われた秘密〔ほか〕
著者等紹介
シュー,ケネス・ジンファ[シュー,ケネスジンファ][Hs¨u,Kenneth Jinghwa]
1929年中国南京生まれ。1948年南京大学でBS、1954年カリフォルニア大学ロサンゼルス校でPh.D。Shell研究員を経て、1967年スイス連邦工科大学教授。現在は同大学名誉教授。ロンドン地質学会Wollaston Medal、アメリカ地質学会Penrose Medalを受賞
岡田博有[オカダハクユウ]
1933年大分県生まれ。1956年九州大学理学部地質学科卒業、1961年九州大学大学院理学研究科博士課程地質学専攻修了、理学博士。1972‐76年鹿児島大学教養部教授、1976‐88年静岡大学理学部教授、1988‐97年九州大学理学部教授。1997年より応用地質株式会社顧問。元日本地質学会会長、元堆積学研究会代表
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