内容説明
本書では、苛酷な自然条件を持ったサウスオーストラリアを対象として、この地への入植プロセス、小麦を中心とする穀物栽培地域の広がり、収穫量減退の実態とその原因、収穫量増進に向けての農民による克服の努力などといったテーマに焦点をあて、穀物栽培を主とする農業限界地のメカニズムと、その地への農民の適応プロセスとを、歴史地理学的手法で明らかにする。
目次
第1部 内陸地域における農業限界地の開発―20世紀以降の急激な開発地マレーマリー
第2部 半島部における農業限界地の開発と小麦栽培地域の拡大
第3部 北部山地への小麦栽培地域の拡大と限界地における農業の実態
第4部 サウスオーストラリアにおける小麦栽培地域の形成