内容説明
オクタヴィア・ヒルの名前はナショナルトラストの創設者として知られている。またエベネザー・ハワードが『明日の田園都市』を著わし、田園都市の実現に貢献したことを知る人も多いだろう。しかし、ナショナルトラスト創設や田園都市建設に先行して、‘オープン・スペース’を求める種々の活動がロンドンから始まり、19世紀末の英国でこれらの活動が隆盛期をむかえた歴史やヒルがオープン・スペースを求める運動のリーダーとなって行動した状況を知る人は、あまり多くはあるまい。本書は19世紀半ばから20世紀初頭までのこのような状況を明らかにする。
目次
序章 研究目的とその方法
1 ヒルの著作とヒルに関する先行研究
2 英国におけるオープン・スペース運動の起源
3 よい住宅と住宅経営への要求
4 ヒルのオープン・スペースへの関心とその原点
5 ヒルのオープン・スペース運動の内容と発展
6 ヒルとカール協会、その他のオープン・スペース運動組織
7 草創期の都市計画運動へのヒルの関心
8 オープン・スペース運動のリーダー“オクタヴィア・ヒル”
9 オープン・スペース運動へのヒルの貢献の軽視
10 結論:人文地理学への二つの教訓と要約
著者等紹介
中島直子[ナカジマナオコ]
神奈川県小田原市出身。1977年、お茶の水女子大学文教育学部地理学科卒業。1979年、お茶の水女子大学大学院修士課程人文科学研究科修了。1982年、お茶の水女子大学大学院博士課程人間文化研究科単位取得退学。同大学人間文化研究科助手、学術振興会奨励研究員を経て、1985年より、群馬県立女子大学文学部専任講師、1988年助教授。群馬県立女子大学文学部助教授、人文地理学専攻。博士(人文科学、Ph.D. of Human Geography)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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