出版社内容情報
道徳性をめぐる議論におけるジェンダーに関する問題を明らかにし、ケアの政治学に関する考察を行った最初の体系的な著作を邦訳。
トロントは政治理論・政治哲学の学問的系譜においてケアの倫理を論じ、ケアの政治理論を確立した先駆的人物である。ケアの倫理をめぐる議論は、母子関係を起点にケアを女性と関連づけるところからスタートしたが、本書はケアをあらゆる人間の生や活動として拡張し、現在のケアの倫理の理論的土台を形作るものと評価されている。
【原著】Joan C.Tronto, Moral Boundaries: A Political Argument for an Ethic of Care (Routledge, 1993)
内容説明
ケアという実践を通して、政治と社会と道徳・倫理を総合し、私たちの社会に新たな価値の姿を提示する。哲学・倫理学、心理学、政治学、フェミニズムといった広範な分野の研究をもとに、ケアをあらゆる人間の生や活動として拡張する。現在のケアの倫理の理論的土台となり、刊行後30年を経てもなお評価され続ける著作をついに邦訳。
目次
第1部 序論(道徳の境界と政治的変化)
第2部 「女性の道徳」に抗して(普遍的道徳と道徳感情;道徳はジェンダー化されているのか?)
第3部 ケアの倫理のために(ケア;ケアの倫理;ケアと政治理論)
著者等紹介
トロント,ジョアン・C.[トロント,ジョアンC.] [Tronto,Joan C.]
1952年生まれ。ミネソタ大学政治学教授、ニューヨーク市立大学大学院およびハンターカレッジ政治学教授を経て両大学の名誉教授。専門はフェミニズム政治理論
杉本竜也[スギモトタツヤ]
1974年静岡県生まれ。日本大学大学院法学研究科(政治学専攻)修了。博士(政治学)。日本大学法学部専任講師、アメリカ・ミネソタ大学客員研究員を経て、現在は日本大学法学部准教授。専門は政治学・西洋政治思想史・政治哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。