内容説明
地理学的立場から「さかい」を取り上げた場合、その対象領域は政治地理学であって、いわゆる国や村の境界を連想するものであるが、本書ではそれも含めてもっと広い範囲で捉えてみた。大都市圏に挾まれた中間地帯、食文化の交錯地域、海面における潮境といった具合にいくつかの具体例をあげて、地表面にみる同一現象の相異なった二つの地域が接触あるいは複合する地点の構造とその反映を受けての実態を考察してみた。
目次
「さかいの地理学」とは
山地と平地の境域
政治・行政の境域
都市の中間地帯
商圏の成立・競合
穀物栽培の結合地域
海のさかいと漁業
食文化と地域
住文化と地域
方言の境界