出版社内容情報
旅の商人が森で迷い、木の上で夜を明かそうとすると、下に狼の群れが…。息を呑む表題作を含め、日本の昔話から6話を厳選。
筒井悦子[ツツイエツコ]
著・文・その他
太田大輔[オオタダイスケ]
イラスト
内容説明
旅の商人が森へ迷いこみ、木の上で一夜を明かします。やがて夜がふけ、木の下には狼の群れが…。狼たちは、はしごのように連なり、その上を猫又がかけ上がってきて…!息をのむ展開の「千びきおおかみ」を含め、日本の昔話からこわい話を6話集めました。小学校1・2年から。
著者等紹介
筒井悦子[ツツイエツコ]
山形県に生まれる。岡山大学文学部英文科卒。1974年より、岡山にて「草の実文庫」を主宰。文庫、図書館、幼稚園、学校などでお話を語りつづけている。アジア民間説話学会、昔話研究会会員
太田大輔[オオタダイスケ]
1953年、東京に生まれる。グラフィックデザインの仕事を経てイラストレーターとなる。父親は長崎出身の絵本作家、故太田大八氏。長年アメリカンポップな作風で活躍した後、一転江戸時代を題材にした絵本などを手掛けるようになる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chiaki
39
長女と読みました。化けものを退治してやると村のお堂に乗り込んで蜘蛛の糸に吊るされた男の話『くもの化けもの』、おおかみばしごに襲われつつも、恐ろしい猫又の正体を見破った表題作『千びきおおかみ』、豪傑者が化け物女に肝を冷やす『おいとけ堀』、きつねにいたずらした祟りとして死体の番をさせられる『きつねに化かされた話』、かなしくも心暖まる『子育てゆうれい』、「やまなもぎ」に似た『ずんべえ桃』(こちらの方が怖いッ!)、6話の日本の昔ばなし。絵は、太田大八さんを父に持つ太田大輔さん。2021/03/12
ヒラP@ehon.gohon
24
怖さの凝縮されたようなお話集で、なかなかの迫力のある本です。 類話をいろいろと想像できて、楽しく読む読むことが出来ました。 でも、まとめよみには不向きかも知れません。 夏の日の読み聞かせにいいかもしれません。 臨場感たっぷりです。2022/01/28
なななお
23
こぐまのどんどんぶんこ、追っかけ11冊目。日本の怖い昔話6編。表題作『千びきおおかみ』も、じわじわと迫りくる感じが怖いのですが、『ずんべえ桃』が、これまた怖い。病に伏せった父親のため、三人の息子達が父親が食べたいという「ずんべえ桃」を取りに行くのですが、道を教えてくれる白髪の婆様の言う「一つ二つはいいけれど三つ食うと日が暮れる」、その後の恐怖連鎖…。三つの法則、そしてハッピーエンド的な終わり方に「イヤイヤイヤ…楽しく暮らしました、じゃないですよね!!」と突っ込みたくなります。日本の話が断トツに怖いです😰2022/04/15
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
16
怖すぎない怖いおはなし(笑)が6編。児童書に挑戦してみる時期の子どもにいいですね。『千びきおおかみ/くもの化けもの/おいとけ堀/きつねに化かされた話/子育てゆうれい/ずんべえ桃』2020/03/14
遠い日
14
久々に読みながら本気でぞくぞく慕お話6編。いいですねぇ、この恐怖。昔話の怖さはいつもどこかではぐらかされるような、肩透かし感があって、あまり期待していませんでしたが、これはいい。「おいとけ堀」や「子育てゆうれい」などのスタンダードな話もありますが、タイトルにもなっている「千びきおおかみ」など初めて読む話を楽しみました。2018/04/21