出版社内容情報
英国の児童図書館員の草分け、コルウェル女史の自伝。事務的だった図書館の仕事を、子どもと本を結びつける喜びや報いのある仕事に変えていった感動的な記録。巻末に来日した際の講演録を収録。
目次
1 私が児童図書館員になるまで
2 図書館におけるストーリー・テリング
3 児童図書館員であること
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
杏子
27
この方のことは何も知らなかったが、県立図書館の石井桃子さんフェアで手に取った。コルウェルさんが新しい児童図書館を作る過程にいて、試みていらっしゃったことが、恐ろしいぐらい現在の図書館にも当てはまることに気づいた。読んでよかった。子どもにいい本との出会いを整えて渡してあげることの重要性に改めて気づかされた。やはり、本なら何でもいいわけはないんだ!と指針を与えてもらった気持ち。2016/05/03
ニコン
9
図書館から借りる。児童図書館設置の先駆者的存在。いかに子どもたちと図書館とのつながりを考えるかについて勉強になった。図書館に行った際、子ども図書コーナーでの司書さんの努力を覗いていてみたい楽しみができた。2013/05/02
スイ
7
「書物のない家庭は、窓のない家のようなものです。なぜなら、本というものは、それを通して、子どもが、知識と経験のより広い世界をのぞき見ることのできるもっとも重要な手段だからです。」 図書館の児童サービス普及と改善に力を尽くした著者の、前半生記。 情熱と慈しみに溢れていて、あちこちで泣いてしまった…。 石井桃子さんの訳も、生き生きしていてとても良い。 手元に置いておきたい一冊。2018/07/31
to_chan
6
ヘンドン図書館の児童図書室をいちから作って児童図書館の先駆者となった人の半生記。図書館学どうこうの前に一気読みの面白さ。本の虫だった少女時代から奨学金を得ての大学生活、田舎の図書館員の生活、そしてロンドンでの児童図書室の立ち上げ話、と生き生き描かれて気持ちよい。 そしてここに述べられてる児童図書の課題が、現代でも変わらず有効だという。2019/08/20
ツキノ
6
感動した。付箋だらけになった。石井桃子さんの訳もとてもいいのだろう。文章に気品がある。2012/02/18