内容説明
「たったいっぴきでくらしていてさびしくはないの?」おひさまも、雨も、地面もみんな、山の上に住む、かえるにたずねます。ひとりでいることはさびしいことでしょうか?あたたかな日ざし、かけぬける風…みずみずしい水彩画で描かれた自然のめぐみの数々。その中で生きる、かえるのよろこびが伝わってきます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
251
興安(ヒンガン)◎作、三木卓◎文。先に興安の絵があって、それに詩人の三木卓が文をつけたもの。興安はフフホト(内モンゴル)で生まれ育ち、師範大学美術科を卒業後に来日。東京学芸大学大学院で日本画を専攻し修了。まず絵だが、これはリアリズムに徹した(ただしカエルは心もち擬人化)水彩画。カエルと草の緑、そして空の青が美しい。自然とともにあることの喜びを謳いあげる。三木卓の文もまた、限りない優しさに満ちている。2024/10/19
yomineko@ヴィタリにゃん
69
モンゴル出身の著者。美しい絵は著者が水墨画専攻だから!!!たった一人で暮らしている蛙さんだけど、自然界には沢山お友達がいる😊太陽、月、風、大地。み~んなとても素敵なお友達✨✨✨2024/01/07
annzuhime
45
図書館本。1人で生きるカエル。でも本当は1人じゃない。太陽も雨も地面も、いつだって僕の友だち。素敵なお話しだけど、ちょっと表現が難しいかなぁ。小学2年生の長女にはちょうどいいけど、5歳の次女はきちんと伝わってないかも。ただ、カエルが可愛いから喜んで見てたけどね。2021/11/25
東谷くまみ
41
どのページにも幸せそうな表情をしたかえるくん。感謝する心を常に持っていれば、こんなに顔も心も命もキラキラ輝くんだろうな。ひとりでいることと、ひとりぼっちは全然違う。お日さまにお月さま、風に星。「ありがとう」を言える存在が側にたくさんいて、毎日が生きる喜びに溢れてる。それだけでも素晴らしいことなのに、ある日自分の何気ない行動で誰かの心に灯を灯すことができたなら…かえるくんの気持ちを描いたような絵がとても美しい。自分の行動が誰かの幸せに繋がる、その喜びを知ったかえるくんの心の豊かさはより深みを増すんだろうな。2024/06/15
ヒラP@ehon.gohon
35
ひとりぼっちのかえるに、自然界の太陽や雲が問いかけまず。 かえるは寂しいどころか、全てに対して前向きです。 考えたら、かえるは生まれたときから親を知らないのですね、 擬人化された自然界の者たちが、ユーモラスで和みました。 生きることに喜びを見いだせる、自己肯定感を学ぶ絵本でしょうか。 興安さんの絵と、思いのこもった三木卓さんの文章のセッションが素晴らしいと思います。2023/04/26