出版社内容情報
やかまし好きの王子が、誕生日に世界でいちばんやかましい音が聞きたいと言います。そこで、世界中に伝令が飛ばされ、その日その時刻に、皆が一斉に叫ぶことになりましたが…。
内容説明
やかましいことの大好きなギャオギャオ王子の誕生日はもうすぐ。世界で一番やかましい音が聞きたい、という王子の希望にこたえ、王様は全世界の人々へ伝令をとばしました。それは「何月何日何時何分に、誕生日おめでとう、と叫ぼう」というものでしたが…。とんでもないどんでん返しがさわやかな結末を運んでくる、子どもにも大人にも楽しめるお話です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chiaki
46
松岡享子さんの訳で太田大八さんの絵となれば最高の1冊に違いないと。ガヤガヤの都の、世界でいちばんやかましい町の、ギャオギャオ王子の、お誕生日のお祝いのおはなし♪王子の好奇心はごもっとも!それは是非私も聞いてみたい!おぉ~これは大変なことになりそうだなーと、最後までおはなしのわくわくが止まらず。最後のオチの素晴らしさに思わず唸ってしまいました!ちょっと長めだけど、時間が取れるなら是非読み聞かせに使いたい。2020/12/21
とよぽん
32
世界で一番やかましい音って、どんな音か聞きたい。皆がそう思うのも分かる。教訓的であっても説教臭くないステキな結末だった。起承転結のはっきりした構成で面白い。もっと大きな判型であれば読み聞かせしやすいのに。ちょっと残念。2019/11/23
Cinejazz
25
〝その昔、世界で一番やかましい処は「ガヤガヤ」という都でした。この町の入口には “これよりガヤガの都 世界でいちばん喧しい町”という立札が立っていて、人々が口をひらけば、わめくか怒鳴るかでした...喧しいことが大好きな<ギャオギャオ王子>の誕生日に、世界で一番喧しい音が聞きたいという王子の希望を聞いた王様は、 何月何日何時何分に「誕生日おめでとう!」と叫んでくるよう、世界中に伝令をとばしますが・・・〟 “ようこそ、ガヤガヤの都へ 世界でいちばん静かな町”に生まれ変わる愉快な癒しの物語。2024/01/23
こゆ
22
小2と。ガヤガヤは世界一騒々しい街。喋る時は怒鳴るかわめく、全ての物音は盛大に立てることを誇りに思っていた。そんなある日、ガヤガヤの王子様が「世界一やかましい音を聞きたい」と言い出し、世界中の人が同時刻に叫ぶことになったがー。子どもでも途中からオチは読めるのだが、これは面白い。面白いけど、感覚過敏気味で騒がしいところが苦手な私には想像するとゾッとする街でもある。「自分一人くらいやらなくてもどうということはない」という考えの究極系。2021/09/04
遠い日
21
集団心理の恐ろしさを、逆説的な語りで説く。「世界でいちばんやかましい音」を、みんなが聞いてみたいと思うのも理解できるが、自分ひとりくらい約束を破っても構わないだろうという安易な考えが、決定的な失敗をもたらす滑稽さ。だが、要らぬ音が消えた世界の安寧が、こんなにもすばらしいということに気づいたこの王子は、本当は賢い子だったのだと言える。施政者の立場にある者の判断のブレは怖いとも感じた。2020/11/29