内容説明
本書で扱われているすべての主題は、著者の過去四年間にボローニャ大学での講義や、イェール大学およびコロンビア大学での客員講師の折に詳論されたものである。主題の多くは、数々の会議、シンポジウム、セミナーのなかでも練り上げられたものである。
目次
1 記号
2 辞典対百科事典
3 隠喩
4 象徴
5 コード
6 同位態
7 鏡のいろいろ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
5
モデル読者は一見背反するソシュールの一般記号学とパースの記号論を橋渡しするために導入される。著者によれば、モデル読者はモデル作者とテクストの意図という3者関係を作り、一般記号学で想定されるコードとメッセージの関係を言語以外のコミュニケーションへ拡張可能にする、と考えられるからだ。この点で本書は、アリストテレスのカテゴリー論を概説したポルフュリオスの「樹木」としての辞典的思考を、百科事典的思考の貧化とし、中世言語哲学を逆行したパースが設定した力動的対象を念頭にして、鏡像なる考えに潜む実在の再検討へと向かう。2019/01/19
ただの人間
1
案の定というべきか非常に難解(おそらく記号論1・2よりも)。 従前の言語学・記号論の蓄積を意識しつつもさらに一歩進めようとする試みなんだろうということはかろうじて推測できた。2021/08/31