内容説明
人類と病気の関係を進化論・生物学・医学・経済社会史など多面的に跡づけた画期的研究。
目次
生態的地位と種分化
人類における自然淘汰
遺伝的多型と病気
正常な性格ならびに病的性格の多要因性
ペストの黙示録
熱病
癩病と結核
無意識の大殺戮
過去の病気、未来の病気
後天性免疫不全症候群エイズ〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
5
いろいろ示唆されることが多い著書だった。「病気という観念」と言う表現があった。これはどう言うことなのだろう?病気は観念なのか?形而上なのではなくて、例えば患うと医者にかかる。問診を受ける。風邪ですね、と訳のわからない診断を下される。患者は(とりあえず)それで満足する。医者に魔術を与えられる。これがヒトでなくチンパンジーだったらどうだろう。志村けんさんのぱっくんだったら、納得するだろうか?魔術を受け入れるだろうか?ヒトが文化の道ー環境を作り出すーを選択した結果かもしれない。医療人類学とあとがきにあった。2020/04/19
おはぎ
0
病へ対峙する人々の様相や、歴史と共に移動する疫病と淘汰、予知医学などのイメージが漠然と面白かった。書き手の気負わない誠実さにとても好感が持てる。2011/01/28