感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
せみ
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カミュのお師匠さんの本です。「正統性」とは自分だけが正しく、他は全て間違っている、という排除の「正義」のことを指します。自分(の党・主義)だけが正義であるとみなして他を破壊しようとする傾向を、グルニエは主としてマルクス主義を相手にして解剖し、拒否します。戦争を終わらせるための戦争も、悪を滅ぼすための悪も行うべきではないと彼は言います。このあたりは教え子のカミュとの関係が興味深いところです。1938年というイデオロギーが沸騰している状況にあっても、このような知性の持ち主がいたことは驚きです。2011/06/05
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- 和書
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