出版社内容情報
人口減少社会において消滅危機にある地方を救う処方箋は
どこにあるのか?
本書では、ジェンダー・ギャップ解消の観点からその解決策を提示した。女性の雇用創出、男性の育児休暇取得率向上を含む子育て支援策など、様々なジェンダー・ギャップ解消の取り組みを紹介。若年女性流出防止のためのジェンダー・ギャップ解消施策などが合計特殊出生率の向上につながることを提示している。さらに、北欧、西欧、アジアの先進事例も紹介し、男女共同参画社会の推進が、地方だけでなく日本全体を救うことを示唆した。
【目次】
第1章 女性に選ばれないまちは人口減少が加速する──元豊岡市長の講演録より (中貝 宗治)
第1節 豊岡市の人口減少の実態
第2節 根強いジェンダー・ギャップの存在
第3節 なぜ地方に若い女性が戻ってこないのか?
第4節 ジェンダー・ギャップが存在することの問題点
第5節 ジェンダー・ギャップ解消への戦略
第6節 現れてきた変化
第2章 人口減少を救うソーシャル・キャピタルによる合計特殊出生率向上施策 (川島 典子)
はじめに
第1節 ソーシャル・キャピタルが豊かな地域は子育てしやすい?
第2節 先行研究とソーシャル・キャピタルの概念
第3節 研究の方法
第4節 研究の結果
第5節 まとめと今後の課題
第3章 なぜ地方からの女性の流出は止まらないのか──福井県の事例を通して (塚本 利幸)
はじめに
第1節 福井県の人口減少に関するアンケート調査の概要
第2節 残る人、出る人の基本属性
第3節 残る人、出る人の福井県の暮らしやすさへの評価
第4節 残る人、出る人と福井県の子育てのしやすさへの評価
第5節 誰が出て行って戻ってこないのか
おわりに
第4章 なぜ父親の出生時休業の取得促進は重要か──EU 加盟国と日本の状況から (藤野 敦子)
はじめに
第1節 父親の出生時休業創設の背景と現状
第2節 父親の出生時休業取得促進の意義
おわりに
第5章 日本が参考にすべき北欧の女性支援策──フィンランド、ノルウェー、デンマークの事例から学ぶこと (川島 典子)
第1節 フィンランドにおける女性支援策
第2節 ノルウェーにおける女性支援策
第3節 デンマークにおける女性支援策
第4節 日本のジェンダー政策への示唆
第6章 なぜ女性の政治参画が必要なのか──進むアジアのクオータ制 (佐々木 正徳)
はじめに
第1節 進むアジアのジェンダー・ポリティックスと日本
第2節 クオータ制の意義と課題
第3節 日本の選挙制度と男性性
おわりに
第7章 農山村のジェンダーエンパワメント政策──都府美山町の事例 (大束 貢生)
はじめに
第1節 学校と地域の連携としてのコミュニティ・スクール
第2節 熟議の観察から
第3節 コミュニティ・スクールによるジェンダー平等教育の可能性
おわりに
第8章 ジェンダーの視座から考える自治体の雇用施策──兵庫県豊岡市の事例から (原田 紀代美)
はじめに
第1節 ジェンダー・ギャップ解消に取り組む経緯──人口減少対策
第2節 豊岡市のジェンダー・ギャップの実態
第3節 ワークイノベーションの推進
第4節 女性の就労