出版社内容情報
「終戦80年」「新しい戦前」の今,統一戦線を考える.
なぜヒトラーを阻止できなかったのか。1920~39年のドイツの歴史的経験を考察し、統一戦線の概念や成立条件、論理と倫理、本質的問題を整理。戦後80年を経た危機の時代、市民に根差した“まっぴら御免” “連帯”“生活(命・暮らし・健康)”の思想=「新しい統一戦線」の可能性をさぐる。
「本書は今日の危機時代に何を問うているのか」―― 本書の読み方
第Ⅲ部の座談会から読んでいただくのもよいかもしれない。本書の意義や何を問題にしているのかについて、研究会のメンバーが明らかにし、ひとつの読書案内ともなっているからだ。さらにいえば、第Ⅲ部の後、第Ⅱ部で今日の問題のあり様を探っていただき、序章と第Ⅰ部の歴史的プロセスに分け入っていただくのが、理解しやすいかと思う。(「まえがき」より)
内容説明
なぜヒトラーを阻止できなかったのか。ドイツの歴史的経験を考察し、その実相に迫ることで、今日の危機時代における「新しい統一戦線」=市民に根差した「まっぴら御免/生活の思想」の必要性と可能性をさぐる。「敗戦80年」「新しい戦前」の今、統一戦線を考える。
目次
統一戦線とは何か
第1部 歴史のなかの統一戦線―1920~39年の戦間期ヨーロッパ、特にドイツを中心に(反カップ統一戦線の経験―その力と意義(1920年)
反クーノー統一戦線の勝利と挫折―「ドイツ革命」敗北(1923年)の戦略問題
ファッション化過程と統一戦線の不成立(1929~33年)―なぜヒトラーを阻止できなかったのか)
第2部 現代日本において統一戦線は可能か(現代統一戦線への序章―「戦後70年」と安倍政権;「戦後80年」の現時点―「半クーデター」政権の崩壊と現代統一戦線の可能性)
第3部 [座談会]本書は今日の危機時代に何を問うているのか 石川捷治+星乃治彦+平井一臣+田靡純子(石川統一戦線論事始め;「下から」の統一戦線と「統一戦線現象」;大衆の言葉・思想としての統一戦線 ほか)
著者等紹介
石川捷治[イシカワショウジ]
1944(昭19)年10月中国東北部・大連市に生まれる。大分県臼杵市へ引き揚げそこで育つ。父親はシベリア抑留で死亡。1967(昭42)年佐賀大学文理学部卒業、72(昭47)年九州大学大学院法学研究科博士課程単位修得退学。北九州大学法学部(5年間)、九州大学法学部(30年間)、久留米大学法学部(7年間)で研究・教育に従事する。その間、九州大学法学部長、九州大学法学研究院長(初代)、九州大学韓国研究センター長(初代)、久留米大学附属図書館長などを歴任。20世紀の政治史、地域研究・平和研究を専門とする。現在、九州大学名誉教授、福岡県自治体問題研究所代表理事などをつとめる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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