出版社内容情報
村落とはいかなる場所か?
現代社会において揺らいでいるこの問いに、フィールドワークと文献研究を通じた台湾農村の長期的分析によって挑む一冊。日本・中国との異/同比較の壁を超えて、台湾農村から先進諸国に通じる新たな「現代村落」モデルの構築を試みる。
目次
序章 台湾から村落をみつめ直す
第1章 事例村にみる台湾村落の社会史
第2章 東アジア村落比較の再検証
第3章 「家」を介したつながり
第4章 神々を介したつながり
第5章 行政を介したつながり
終章 異/同の比較から現代村落論へ
著者等紹介
前野清太朗[マエノセイタロウ]
1987年石川県生まれ。2019年東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程修了、博士(農学)。現在、金沢大学人間社会研究域附属グローバル文化・社会研究センター特任助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BLACK無糖好き
14
現代の先進諸国における脱農化・兼業化や移動性の高まりなどから、「村落的なもの」の把握が困難になる中で、台湾の大斗村でのフィールドワークを通して現代村落のあり様を描く。台湾社会の歴史的変遷と村落のおかれた状況を位置づける。同時に人々のつながりを、親族=「家」を介したもの、民族信仰の神々への儀礼を介したもの、地方行政を介したものから其々分析。中国や日本との比較の試みもなされている。◇学問的な意味での研究領域の把握の難しさなどもあるようで、全体的に専門性の高い内容。2025/03/10