出版社内容情報
焚書とともに幕が開けたナチスの時代。そのイメージとは裏腹に、図書館はドイツ全土で盛んに設立され、新しい「教養」が掲げられていった。当時の人々は、何を読んでいたのか、何を読むことができたのか?――
ヴァイマルからナチス時代にかけての、「読書」と「図書館」の展開と顛末を追った一冊。
内容説明
焚書とともに幕が開けたナチスの時代。そのイメージとは裏腹に、図書館はドイツ全土で盛んに設立され、新しい「教養」が掲げられていった。当時の人々は、何を読んだのか/読めたのか。ヴァイマルからナチス時代にかけての、「読書」と「図書館」の展開と顛末を追った一冊。
目次
序章
第1章 1910~1920年代民衆図書館における路線論争
第2章 1920年代ヴァイマル期ドイツ民衆教育における素人教養論争
第3章 ヴァルター・ホーフマンの教養論と図書館論
第4章 ヴァイマル期ドイツにおける読書論争
第5章 ナチ期ドイツにおける教養理念の変容とその構造
第6章 ナチ期ドイツの民衆図書館の構造とその理念
第7章 ナチ期民衆図書館の活動―青少年の読書に着目して
第8章 本の排除・推薦・焚書―図書リスト作成と読書規範
終章
著者等紹介
松井健人[マツイケント]
1992年和歌山県和歌山市生まれ。2023年4月‐現在、東洋大学文学部助教(有期)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BLACK無糖好き
20
ドイツのヴァイマル期とナチス期の民衆図書館の活動実践の分析を通して、当時のドイツでの教養概念の実相を考察。民衆図書館の運営側の主観による良書を中心に図書館活動を展開したことは、ヴァイマル期もナチス期も共通している。ヴァイマル期には教養の伝達を目指した民衆図書館も、ナチス期では「民衆教育」が展開される場となり、図書は「民族精神の武器」として、ほぼ同一の蔵書を備えた民衆図書館がドイツ各地に新設されていく。◇本書の肝は、普遍視・理想視される教養理念の相対化を図ったところにありそう。2024/01/26
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- 和書
- 経営財務 (増補版)