出版社内容情報
『歩く江戸の旅人たち』『歩く江戸の旅人たち2』の女子旅編!
近世は “女子旅の時代”?!
関所を越え、難所を歩き、大河を渡る
情熱とバイタリティ溢れる女性たちを惹きつけた近世女性旅の魅力とは?
旅を楽しむためにかなり頑張ってしまう女性たちの気持ちや姿は、現代でも同じなのかもしれませんが、近世後期に大流行した旅は歩くことがメインであったため、旅する女性たちが辛い目に遭うこともありました。その女子旅を安全で快適にしたものは何だったのでしょうか。
また、旅費をかけて楽しんだお買い物、名所めぐり、グルメなどを通じて、活発な江戸の女性像を描いてみましょう。
内容説明
近世後期に大流行した旅は歩くことがメインであったため、旅する女性たちが辛い目に遭うこともありました。その女子旅を安全で快適にしたものは何だったのでしょうか。また、旅費をかけて楽しんだお買い物、名所めぐり、グルメなどを通じて、活発な江戸の女性像を描いてみましょう。
目次
第1章 旅立ちの前に
第2章 女性たちはどのように歩いたのか
第3章 女子旅の困難
第4章 女子旅の家計簿
第5章 女子旅の楽しみ方
第6章 女性たちの旅グルメ
著者等紹介
谷釜尋徳[タニガマヒロノリ]
東洋大学法学部教授。日本体育大学大学院博士後期課程修了。博士(体育科学)。専門はスポーツ史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
138
江戸時代の旅に関する本は数あるが、女子旅に限ったものは初めて。好奇心旺盛に名所旧跡や神社仏閣を見て回り、地元グルメを堪能して土産物を買い求める有様は、現代女性と何ら変わらない。しかも飛行機はおろか鉄道や車もなく、二本の足で歩かねばならなかった時代に長い旅をなしとげたのだから。これだけ女子旅が盛んになったのも治安が保たれ街道が整備されたこともあるが、各種ガイド本の元祖が普及して計画的で便利な旅行が可能になればこそだろう。当時の日本より危険な国も珍しくない今日、パクス・トクガワーナの偉大さを再認識させられる。2023/07/08
はれひめ
48
近世の女子旅事情を東洋大学教授が資料をもとに解析してくれます。当時の旅行記を遺してくれてありがたいです。江戸時代の人々が健脚だったのはよく知られている通りで、名所史跡巡り、グルメに観劇にと存分に堪能されてるご様子。3、4ヶ月にわたる長期旅行で有閑マダムの散財は清々しい。私も江戸女子だったら伊勢講に便乗したクチでしょう。大阪で「あきない世傳 」五十鈴屋で買い物したり、品川宿で女料理人あんちゃんのご飯を食べたのかなぁと想像するのも楽しかった。逞しき近世の女人たちはチップも抜かりなかった。2024/01/08
わんつーろっく
45
時代劇を見るたびに、草鞋と着物姿で長距離の旅をしている男女が、え〜あんな格好でよく歩き続けられるものだと感心していた。いやぁ、すごい健脚ぶりに驚かされる。そして当時も今と変わらず、旅先で美味しいものを食べたり土産を買ったり、お芝居観たりしながら名所旧跡を訪れる好奇心に親近感MAX!関所、難所、女人禁制など、困難の裏側も知り、大河を渡るご苦労も金次第?長い道中、旅費はどうしたのか、どんなルートで歩いたのか、泰平の世ならではの女子旅。面白かったぁ!ウォーキングシューズ万歳、駅までみじかし歩けよ熟女💦2024/06/08
ミーママ
45
図書館の本📚️ いつの時代にも女性はお土産、グルメは好きなのね‼️ 私も旅行は大好き。彼女たちを見習って健脚になれるように少し歩いてみようかな✨ 2023-1342023/10/21
シフォン
42
江戸時代の女性の旅日記からどのような旅をしていたのかを論じている。女性が数名に男性の荷物持ちを連れてや男性の集団に女性1人が混ざってという感じの旅だったよう。ガイドブックのようなものがあったようで、数ヶ月かけて、伊勢神宮だけではなく、四国の金比羅山、安芸の宮島、山口の錦帯橋、帰りがけに長野の善光寺によるという旅をしていたとはビックリだった。女性たちは、買い物に名所巡りに旅グルメを楽しんでいたとは今と一緒ね。一日に10〜50kmも歩くとは、この時代に旅に出ることは、今の世界一周より凄いかも。2023/04/17