出版社内容情報
「信仰」と「近代学問」との葛藤
世紀転換期ドイツにおいて、信仰と近代学問は相互に緊張をはらんだ関係にあった。そのダイナミクスを体現する著作であるR・オットー『聖なるもの』を軸として、当時の学的議論に内在しつつ、これを深く規定していた宗教的・精神的情況を浮き彫りにする。
内容説明
キリスト教信仰の自明性が揺らぎ、宗教的世界観が危機的情況にある中で、オットーは何を見出したのか?世紀転換期ドイツにおいて、信仰と近代学問は相互に緊張をはらんだ関係にあった。そのダイナミクスを体現する著作であるR・オットー『聖なるもの』を軸として、当時の学的議論に内在しつつ、これを深く規定していた宗教的・精神的情況を浮き彫りにする。
目次
第1部 宗教的・社会的情況における危機(宗教的・社会的情況;オットーにおける宗教・政治・学問―ナウマンとの対比から)
第2部 「宗教」をめぐる学的情況(一九世紀神学における学問と実践;カント・フリースの宗教哲学;民族心理学において現れる宗教という主題―W・ヴントへの批判)
第3部 危機への対処としての『聖なるもの』(R・オットーにおける「宗教的アプリオリ」理解―トレルチとの対比において;オットーとジェイムズ―現象と実在、合理性と非合理性の間の緊張;オットーとバルト―絶対他者)
著者等紹介
藁科智恵[ワラシナチエ]
東京外国語大学卒業。同大学大学院地域文化研究科博士後期課程修了(博士)。2013‐2015年、ゲッティンゲン大学哲学部宗教学科に留学(ドイツ学術交流会(DAAD)研究奨学生)。現在、日本大学国際関係学部助教。専門は宗教学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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