内容説明
古代世界にあった精神的トポスとしてのハートは、西欧中世において血と傷への信心を受けとめる聖心のハート形へと結晶化する。同時にそれは、世俗文学が描く愛憎や、身体への科学的まなざしを巻き込みながら、万人がその意味を感受できる表象へと洗練されていく。本書は集団的統合、科学批判の象徴、感情伝達のツールとして、理性を超えてわれわれに迫ってくるハート形の秘密に迫る。
目次
第1章 キリストの聖心に対する信心:神学的図像学的研究(テオドーロ・デ・ジョルジオ)(サレント大学)
第2章 ハート形:ポルトガル海上帝国におけるハートの象徴、図像、芸術。日の出に向かうハート(ヴィトール・テイシェイラ)(ポルトガル・カトリック大学)
第3章 聖心への信心:アイリッシュ・スタイル(パトリック P.オニール)(ノースカロライナ大学チャペルヒル校)
第4章 受肉したハート:ハートに関する中世思想の特質(カトリーン・サンティング)(フローニンゲン大学)
第5章 皇帝の身体と聖心イメージ:佛教と中国の身体観の変容(塚本麿充)(東京大学)
第6章 二つの心臓(秋庭史典)(名古屋大学)
第7章 近世美学における「ハートの言語」:バウムガルテンとカント(杉山卓史)(京都大学)