目次
第1部 『訓蒙図彙』をめぐって(『訓蒙図彙』の言葉と図像;『訓蒙図彙』諸版再考;『訓蒙図彙』寛文六年初版本から元禄版本へ―大衆化の位相をめぐって;図と言葉による意匠―『武具訓蒙図彙』と『女用訓蒙図彙』)
第2部 近世の図像化された知識(江戸時代における子どもの読書を考える;可視化する日本史―絵入年代記を素材に;石化姫と望夫石における「永遠」の意識及びその表現;日本にやってきた空気ポンプの図像とその比喩的意味の展開)
第3部 近代化におけるイメージの役割(近世と近代の接続点―『暁斎画談』と「古今」の世界観;福澤諭吉における図入りテキストに関する調査研究―『世界国尽』を中心に;日本正教会刊行『教会初学読本』挿絵にみる東と西の出会い;戦間期東アジアにおける森永製菓の新聞広告と広告戦略)
著者等紹介
石上阿希[イシガミアキ]
人間文化研究機構総合人間文化研究推進センター特任助教、国際日本文化研究センター特任助教。専門分野、日本近世文化史
山田奨治[ヤマダショウジ]
人間文化研究機構国際日本文化研究センター教授、総合研究大学院大学教授。専門分野、情報学、文化交流史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Go Extreme
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ことばとイメージの文化圏 『訓蒙図彙』 言葉と図像 諸版再考 寛文六年初版本から元禄版本へ 図と言葉による意匠 近世の図像化された知識 江戸時代における子どもの読書を考える 可視化する日本史 石化姫と望夫石における「永遠」の意識及びその表現 日本にやってきた空気ポンプの図像とその比喩的意味の展開 近代化におけるイメージの役割 近世と近代の接続点福澤諭吉における図入りテキストに関する調査研究 日本正教会刊行『教会初学読本』挿絵にみる東と西の出会い 戦間期東アジアにおける森永製菓の新聞広告と広告戦略 2021/07/14
志村真幸
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第Ⅰ部は1666年頃に京で出版された絵入り百科事典『訓蒙図彙』に関する内容。浪人文学としての側面、諸版の整理、版を改めるなかで大衆向けの性格が強くなったこと、『武具訓蒙図彙』や『女用訓蒙図彙』といった派生作品など、幅広い視点から語られており、興味深い。 第Ⅱ部は江戸の書物における図像。大人向けの本と子ども向けの本の線引きの曖昧さ、日本にもたらされた空気ポンプの図像など。意外な視点から、江戸文化への新たな発見がある。 第Ⅲ部は福沢諭吉の著作における図の分析、戦前の森永製菓の大陸での広告戦略など。2021/08/12