内容説明
本書は、法と社会の関係、とくに裁判と自治に関するテーマを新しい法史学的視角から論じた共同著作である。代言人などの法の担い手、裁判史料を用いた民事紛争の実態分析、明治初年の村の自治、およびドイツ「市民協定」の意義などを論じる。
目次
序章 熊谷法史学と法社会史
第1章 生類憐みの令と身分制―大坂町奉行の豊後国被差別民取調べを中心に
第2章 民事判決のなかの明治維新―新潟の事例
第3章 大区小区制下の村の自治と内済―岐阜県可児郡久々利村の戸長日記
第4章 代人松尾治太郎―ある無免許代言人の実像
第5章 大阪代言人組合成立期の代言人と代人―一八八〇年前後における大阪の民事紛争解決の担い手
第6章 「民事記録」から見る民事裁判の世界―山口地方裁判所所蔵「済口訴訟書類」と「未確定記録」を中心に
第7章 松江裁判所物語り
第8章 中世都市法(自治定立法)としての『市民協定(Rezess、b¨urgerrezess)』
著者等紹介
石川一三夫[イシカワヒサオ]
大阪大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学、法学博士。中央大学法学部名誉教授
矢野達雄[ヤノタツオ]
大阪大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学、博士(法学)。愛媛大学・広島修道大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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