内容説明
社会人の学び直しは、静かな生活の冒険だ。大学院で学び直した社会人を対象に聞き取りを行い、その語りを現象学的な視点から分析し、学び直すことの実存的な意義を明らかにする。
目次
第1章 社会人と大学院での学び直し
第2章 本書における現象学的視点
第3章 方法としての現象学的アプローチ
第4章 現象学的アプローチの実践者に求められる姿勢
第5章 「学び直し」の聞き取り
第6章 考察―生きられた経験としての学び直し
著者等紹介
岩崎久志[イワサキヒサシ]
1986年関西学院大学社会学部社会学科卒業。2000年武庫川女子大学大学院臨床教育学研究科博士後期課程修了。出版社勤務、スクールカウンセラーなどを経て、流通科学大学人間社会学部教授。社会福祉法人神戸いのちの電話研修委員。博士(臨床教育学)、公認心理師、臨床心理士、学校心理士SV認定ガイダンスカウンセラー。主要業績『ストレスとともに働く―事例から考える こころの健康づくり』(単著、晃洋書房、2017年)齊藤勇記念出版賞(日本応用心理学会)受賞、ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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きいち
29
社会人になってから大学院に進学した6人への聞き取り調査による、学ぶことについての記録。著者自身も社会人大学院出身者、共感したり疑問に思ったりする自分自身の心の動きまで含めての考察。…前半まるまる調査方法とその背景だったのでかなりつらかったが、6人の語りがとても納得感があるのでそこからはするすると読めた。◇皆さん、ずっと学び続けてきた人達。だから内発的な学びの動機で学び始めることができる、その経験がなければこうはいかない。だから、学び「直し」ではない。…著者がこの言葉を選んだのはなぜだろう?語られぬ不思議。2020/05/06
アナクマ
23
社会人大学院の修了者への聞き取り。数値ではなく現象学的アプローチで〈学び直し〉の意味や価値を明らかにするという。◉険しい道ですね。現象学的研究では「どのような方法が適しているのかは始めてみないとわからない」し「協力者との相互作用のなかでアプローチが個別に成立」する。質問者の先入観や予見はマイナスに働くかもしれず、個別事情が多様なので共通点の安易な抽出はしにくい(というか注意深く避ける)。そうして得た語りから「学び直しという〈生きられた経験〉」の構造と成り立ちを明らかにし〈確信の根拠〉を示すことができるか→2023/05/27
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