内容説明
人はどのようなとき、どのような条件で、趣を感じるのか。日常生活の様々な場面や、美術作品、文学作品などから感じられる「情趣」について、消費の美学や心理学の視点からアプローチすることで、新たな知見を提示する。
目次
第1章 情趣に関する「消費の美学」の全体像(消費者行動と「消費の美学」;「情趣」の意味とその普遍性;日常生活に着目するということ)
第2章 情趣を感じやすくなるための条件(事物に対して第三者的になること;微妙な差異やわずかな変化に気づくこと;事物に関する人文学的知識を得ること―みちのくの「しのぶもちずり」を例として;事物に対して能動的にかかわること)
第3章 事物の知覚から生じる情趣(情趣経験の理論化の試み;暗さの中の明かり;落日と落雁―下降運動する対象が醸し出す情趣;ほのかな香り)
第4章 事物の想像から生じる情趣(長期記憶の中の事物;余韻を生じやすい事物と「間」;姿を消してゆく事物;空想の世界における情趣―自然界と日常生活を結ぶ空想)
著者等紹介
牧野圭子[マキノケイコ]
東京生まれ。1990年、お茶の水女子大学家政学部児童学科卒業。京都大学大学院文学研究科心理学専攻修士課程修了。同、博士後期課程学修退学。京都大学博士(経済学)。静岡県立大学経営情報学部助手、成城大学文芸学部講師、准教授を経て、成城大学文芸学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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