内容説明
ロック政治哲学のうち、特に権利論を主題として考察。所有権を中心とした従来のロック権利論解釈とは一線を画して、自然権としての生存権に光を当てる。そこには、生命を尊重し、人間の自然的欲求を承認するという、ロック政治哲学の原理的主張が見出される。
目次
序章
第1章 生存権の概念とロックの権利論(自然法における生命保全の義務;生存権とその基礎;生存権概念の特徴)
第2章 生存権と所有権(労働所有権論の基礎;労働所有権論の展開;所有権論に内在する生存権への配慮;政治社会における所有権)
第3章 子どもの生存権と相続権(相続権擁護論;相続権擁護論の意義と評価)
第4章 困窮者の生存権と慈愛への権利(テクストにみる慈愛への権利;コンテクストにみる慈愛への権利;政治社会における困窮者の生存権)
第5章 生存権の再検討(ロック権利論への批判的考察;生存権の直接的保障への展望)
終章
著者等紹介
渡邊裕一[ワタナベユウイチ]
1985年千葉県出身。学習院大学大学院人文科学研究科哲学専攻単位修得退学ののち博士(哲学)取得。現在、学習院大学計算機センター・コンピュータシステム支援組織助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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