内容説明
伝統産業の信用システム発展のために、中小企業者、金融機関、行政には今なにが必要とされているか?
目次
第1章 京都中小企業の歴史的特徴
第2章 京都西陣室町繊維産業の変遷
第3章 京都地域金融の変遷
第4章 信用保証制度と京都の信用保証システムの変化
第5章 信用保証システムの問題点
第6章 中小企業金融の改革
著者等紹介
大森晋[オオモリススム]
1958年滋賀県高島郡(現在高島市)生まれ。2018年同志社大学大学院総合政策科学研究科博士後期課程学位取得退学、博士(政策科学)。1981年京都中央信用金庫入職。複数店舗の支店長を歴任したのち現在、学校法人京都文教学園常務理事、法人事務局長。京都文教大学非常勤講師。同志社大学大学院総合政策科学研究科招聘講師。一般財団法人京都府公園公社理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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chang_ume
6
西陣織・京友禅といった「伝統産業」について、実態から遊離した観光=超歴史的理解を超えて、いかに社会的リアリティを構築していくか。本書は「お金の流れ」から産業構造の描出を試みることで、一定の成功を収めたと思う。ただ製造現場の末端まで検討は進まず、実際に機業に肉体酷使した人びとのあり方が浮かばない。あるいは、本書で取り上げる「織屋」の内容が、実はあいまいなことによるものか。問屋とメーカー(織元)の位置づけは明らかな反面、住民単位の社会構造が見えにくい。地域社会が像を結ばない。もやもや。2019/09/20