内容説明
本書は、音楽コミュニケーションが近代的な様相を呈するまでの過程を、現象学的・歴史社会学的に論じている。議論を展開するにあたり、アルフレッド・シュッツの現象学的社会学、エトムント・フッサールの現象学、マックス・ウェーバーの音楽合理化論の視点に依拠し、モーリス・アルヴァックスの集合的記憶論、真木悠介やアンソニー・ギデンズの時間意識の変容に関する思考も、議論の支柱のひとつとした。数々の楽曲によって議論を具体的なものとしている。
目次
序章 問題設定
第1章 音楽コミュニケーションの原理
第2章 疑似同時的な音楽コミュニケーション―西洋音楽の記譜法の合理化と普遍時間を得る技法、リズムから拍子へ
第3章 楽器と音律の合理化における“身体感覚”の変遷―合理化の二面性
第4章 演奏空間の変容と近代的な音楽コミュニケーション―作曲家・演奏家・聴き手の分化、共同体・間を結ぶ時間
第5章 現代的な音楽コミュニケーション―永続性をめざす記譜法の技法から録音再生技術へ
終章 音楽コミュニケーションの歴史社会学―リズムと拍子、身体感覚の側面と機械的な側面
著者等紹介
寺前典子[テラマエノリコ]
2014年慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程社会学専攻修了、博士(社会学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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