内容説明
フィールド発の差別論:主体論から構造論へ/啓発から倫理へ。その気もないのに差別させられる、現代社会における構造的差別に照準し、「差別する者であると同時にされる者」としての生の倫理のありか(=「エッジの歩き方」)を、平易な手紙文体で描きだす!
目次
第1部 フィールドの日常/私の日常(“部落からのメッセージ”生活の深みへ―聞き取り現場でのささいな出来事から、生活に沈潜していた被差別経験の突然の噴出が私たちにもたらす衝撃;“私たちにできることは…”こんなきっかけからでも―部落に興味をもった学生の好奇心にゆれる心の彷徨 ほか)
第2部 ディスコミュニケーションのただなかへ(“見えない文化のなかへ”差別ってなんだろう―差別する側とされる側に横たわるディスコミュニケーションとは;“仕事場からのレポート”人と人を結ぶ太鼓―太鼓の胴をのぞいてみると、そこには歴代の太鼓師の名が… ほか)
第3部 エッジを歩く(“考え方を組みなおす”私の手になれますか?―重度の身体障害者によるラディカルな問い掛けがもつ射程の広がり;“日々の営みのなかで”ねたみ意識というけれど―同和対策事業が地域社会になげかけた波紋を、ある差別発言から考える ほか)
第4部 手紙、その後(親の戸惑い/子の戸惑い―特措法後の教育的課題―同和対策事業に関する特別措置法が二〇〇二年に失効して以降、部落差別や部落問題について、親や教師から直接的に教えられて来なかった世代が増えているという現実がかかえる新たな問題とは…;“ポスト同対法体制”の構想に向けて―「部落」や「部落民」を関係的カテゴリーと捉える、差別現象への関係論的アプローチを提唱)
著者等紹介
三浦耕吉郎[ミウラコウキチロウ]
関西学院大学社会学部教授。専門:社会学、生活史、差別問題、質的調査法(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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