内容説明
「闇の中へ差し入る光は最も美しい」三木清生誕120周年記念。三木清の思想形成にフィヒテ哲学が果たした役割を探る。
目次
第1章 三木清とフィヒテ
第2章 「現代」とは何か―三木清のフィヒテ批判
第3章 三木清の回心
第4章 『ドイツ国民に告ぐ』における衝動の問題
第5章 フィヒテの言語論における衝動の問題
第6章 フィヒテの高等教育施設論の特性
著者等紹介
玉田龍太朗[タマダリュウタロウ]
1973年兵庫県揖保郡太子町生まれ。1992年兵庫県立龍野高等学校卒業。1996年広島大学文学部哲学科卒業。1998年京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程修了。2004年京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了、京都大学博士(人間・環境学)。現在、滝川第二中学校・高等学校教諭。2015年日本フィヒテ協会研究奨励賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うえ
4
「フィヒテは、歴史の時代区分を「先験的に演繹され得る」とする。三木によると、仮にフィヒテのいう仕方で歴史の時代区分の先験的演繹が可能だとしても、一般的に言って現代の現実の経験はわれわれにとって混乱した「分離と乖離の時代」に見えるのであって、この経験は必然的である。フィヒテが自分の生きた当時の時代状況を極限的な状況として「罪悪の完成した状態」と捉えたとしても、それはいずれの時代においても人々の感じる現実経験への必然的感情に基づいた「不平や詠嘆や憤慨という非合理な形態」として説明可能なものであるかもしれない」2025/01/18
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