目次
新たなショーペンハウアー像を描く意義
第1部 修業時代―哲学の「高きアルプス」へ挑む―(カント哲学との出会い―若き哲学徒はなぜ根拠律を論じたか(1)
フィヒテ哲学との対決―若き哲学徒はなぜ根拠律を論じたか(2))
第2部 兵役拒否―「私の祖国はドイツよりももっと大きい」(根拠律の社会哲学―フィヒテ対ショーペンハウアー;思想としての兵役拒否―近代国家思想に関する試論(1)
永遠平和論の背面―近代国家思想に関する試論(2))
第3部 主著誕生―『意志と表象としての世界』へ(エゴイズムの闘争―自然法論;エゴイズムの調停―国家契約論・刑法論;エゴイズムの克服―共同性論)
ショーペンハウアーの遺産
著者等紹介
伊藤貴雄[イトウタカオ]
1973年熊本市生まれ。2006年創価大学大学院文学研究科博士後期課程修了、博士(人文学)。現在、創価大学文学部准教授。専攻、哲学・倫理学・思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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田蛙澄
3
この本を読むまで、私もショーペンハウアーの国家論や法論は「道徳の基礎付け」や主著正編に書いてあったなという程度の認識で、それほど重要な個所とは思っていなかったが、彼のフィヒテやカント批判が国家論や法論、さらに時代的な背景をまとった兵役拒否の側面があると知ってひどく驚いたし、また楽しく読めた。ただ、カントの普遍的な格率の立法が欲せざる所為すなかれ的な説得力を持つのに対し、ショーペンハウアーの共苦や禁欲は自他同一の世界の苦しみの認識がなければ説得できないという点で実際性が劣る気もした。2016/09/28
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