内容説明
フランス近現代美術史研究の可能性を“方法論”の自覚と反省によって探求する待望の野心作。日仏を代表する一流の研究者8人が集い、文献学、精神分析学、ジェンダー論、美術館行政、文学、ジャポニスム、社会学、社会史の視座からスリリングな議論を展開する。
目次
第1章 セザンヌ・夢の中のように
第2章 精神分析と美術史―“文献学的”眼差しの効用について
第3章 ポンピドゥー・センターのelles展とフランスにおけるジェンダー美術史観―生産活動の変遷
第4章 美術館とフランス近代美術史研究
第5章 エドゥアール・マネと“自然主義”―ゾラの美術批評・小説から見るフランス近代絵画
第6章 “透かし”と“透視図法”―空間のジャポニスム・抄
第7章 市場価値形成の一齣 モダニスト美学の起源と市場操作の昇華―エドゥアール・マネ売り立てにおける市場戦略
第8章 シャピロからカルマイヤーまで―セザンヌの社会史研究の可能性
著者等紹介
永井隆則[ナガイタカノリ]
1956年生。学士、修士、博士号(京都大学文学部哲学科美学美術史学科、同大学文学研究科)、Dipl^ome d’´etudes approfondies(プロヴァンス大学大学院博士号請求論文提出資格課程学位「歴史と文明;美術史」、エクス・アン・プロヴァンス、フランス共和国)。京都国立近代美術館主任研究官を経て、京都工芸繊維大学工芸科学研究科デザイン学専攻准教授。専門は、フランス近代美術史とデザイン史。美学会、美術史学会、日仏美術学会、意匠学会、ジャポニスム学会、国際美術評論家連盟、正会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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