内容説明
メルヴィルの諸作品を、空間(地理・場所)と時間(歴史)のなかに置き、彼の描くアメリカ社会とプラネタリなヴィジョンを反帝国主義的、あるいはポストコロニアルな視座から解明する。
目次
第1部 メルヴィルとアメリカ(メルヴィルと現代―白と黒を基軸として;メルヴィルの多文化主義とグローバリゼーション;幻想の白人優越主義―メルヴィルと黒人差別;ナンタケットからの舟出―初期アメリカの捕鯨業と『白鯨』;北東部田園地帯の向こう側―『ピエール』における自己探求;ニューヨークでの緑の休息―「書記バートルビー」;独立戦争と「ルースレス・デモクラシー」―『イズラエル・ポッター』;中間地帯のアメリカ人『信用詐欺師』と社会的背景;「歴史的悲劇」としての南北戦争―『戦争詩集』)
第2部 メルヴィルと旧世界(『レッドバーン』における父と子;旧秩序への依存とそこからの離脱―ポストコロニアリズムと『ビリー・バッド』)
第3部 メルヴィルと周縁の世界(アメリカを超えて)(南海の風景―三位一体のかなた;『タイピー』と文学市場;『クラレル』におけるオリエンタリズム;メルヴィルによる楽園の摸索に見られる西洋と東洋の対話;メルヴィルの新しい荒地観;『雑草と野草、一本か二本のバラと共に』における自然と楽園回復)
著者等紹介
藤江啓子[フジエケイコ]
1953年生まれ。愛媛大学法文学部教授。大阪大学卒、大阪大学文学修士、ワイオミング大学英文学修士(M.A.)、ハーバード大学客員研究員、大阪大学文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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