内容説明
ウェーバーの社会理論はヘーゲル・マルクスの弁証法の対極に位置するものである。この観点からウェーバー理論の陥っているディレンマ、その弱点、とりわけ意味・価値問題の絶望的状況を、ヘーゲル・マルクスの弁証法的方法によって全面的に解決するよう試みる。
目次
第1章 マックス・ウェーバーにおける固有法則性概念と与件(J.S.・ミルによる与件の取り扱い;シュムペーターにおける与件の取り扱いと経済的事象それ自らの論理 ほか)
第2章 マックス・ウェーバーの概念構成における質的性格について(ウェーバーの概念の特質と問題点;ウェーバーのヘーゲル批判と弁証法における一般概念の具体化 ほか)
第3章 M.ウェーバーとヘーゲル・マルクスとにおける現実性概念について(ウェーバーにおける「現実性」と「現実科学」;ヘーゲルの現実性 ほか)
第4章 変革の理論の諸類型―マルクス、ウェーバー、シュムペーターの所説を中心として(三類の変革理論の同一性と差異性(一)―静学・動学の二元論と静学の先行
三類の変革理論の同一性と差異性(二)―変革主体の特性と経済それ自体の自発的変化 ほか)
第5章 意味喪失と生きるための意味(雀部幸隆氏における『知と意味の位相』の分裂による意味喪失について;雀部氏における「経験科学」の問題点と対象に内在することの独自の意味 ほか)
著者等紹介
吉田浩[ヨシダヒロシ]
1944年鳥取市で生まれる。1971年京都大学大学院文学研究科修士課程修了。金沢大学法文学部、弘前大学教養部を経て、徳島大学総合科学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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