内容説明
エネルギー資源の消費国は現在、エネルギー源の多様化とエネルギー資源調達先の多様化とを同時進行させている。それがエネルギー消費国のトップ・プライオリティーとなっている。海上輸送路(シーレーン)とパイプラインの安全確保は、エネルギー資源のサプライ・チェーンを構築する上で不可欠の要素である。とにかく、エネルギー資源の消費量は、今後確実に増えていく。殊に、開発途上国の伸び率が高くなる。この顕著な例が、中国とインドである。では、エネルギー資源供給国はこのニーズに的確に応答できるのか。本書は、21世紀におけるこの火急な問題を分析の対象としている。その問題点は多岐に亘る。それをすべて網羅することは不可能に近い。だが、主要かつ緊急の課題については、その大半を包括していく。加えて、ミクロ分析にも眼を向けた。分析の内容を深めるためである。こうした作業を経て、本書は完結する。
目次
1 21世紀世界のエネルギー資源問題(現代国際関係とエネルギー資源;OPEC(石油輸出国機構)の地位低下と消費国 ほか)
2 世界のエネルギー市場(エネルギー・サプライヤーとしての中東;カスピ海産エネルギー資源の将来性 ほか)
3 エネルギー企業分析(サウジ・アラムコ;国営イラン石油会社(NIOC) ほか)
4 日本エネルギー戦略の選択―展望に代えて(エネルギー資源の多様化路線は成功するか;脱中東依存、脱OPEC依存は成功するか ほか)
著者等紹介
佐藤千景[サトウチカゲ]
1968年福島県生まれ。2001年同志社大学大学院商学研究科博士後期課程単位取得。現在、関西外国語大学国際言語学部講師
島敏夫[シマトシオ]
1947年和歌山県生まれ。1992年名古屋市立大学大学院経済学研究科修士課程修了。現在、福山大学経済学部講師
中津孝司[ナカツコウジ]
1961年大阪府生まれ。1989年神戸大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得。現在、大阪商業大学総合経営学部教授。経済学博士
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