内容説明
本書は、ヨーロッパ初期近代の知的枠組みを俯瞰し、そのなかでモンテーニュを理解しようとするものである。
目次
1 モンテーニュとその時代
2 モンテーニュと人文主義
3 モンテーニュと懐疑
4 モンテーニュと宗教
5 モンテーニュと政治
6 心理学者としてのモンテーニュ
7 民族誌学者としてのモンテーニュ
8 歴史家としてのモンテーニュ
9 モンテーニュと美学
10『エセー』の展開
著者等紹介
バーク,ピーター[Burke,Peter]
1937年生まれ。オックスフォードで学び、現在はケンブリッジ大学の文化史講座で教鞭をとる歴史学者である
宇羽野明子[ウバノアキコ]
福岡県生まれ。1998年大阪市立大学大学院法学研究科後期博士課程単位取得退学。現在近畿大学・帝塚山大学非常勤講師。主要研究業績に『西洋政治思想史』(共著、新評論、1995年)ほか
小笠原弘親[オガサワラヒロチカ]
福岡県生まれ。1970年早稲田大学大学院政治学研究科博士課程単位取得退学。1981年政治学博士。大阪市立大学法学部教授。2000年8月逝去
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感想・レビュー
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ちあき
2
イギリスの文化史家によるモンテーニュ論。入門書といってよい平明さとコンパクトさだが内容は濃い(今年に入ってからイギリスの作家や学者が書いたこういうたたずまいの本によく出あう)。思想史の本として読めば16世紀ヨーロッパに対する見通しががぜんよくなる。たとえモンテーニュという人に興味がなくても、「何を信じるべきか」「自分の信条と生活の折り合いをどうつけたらよいか」と考え悩んだことがあれば文学・文芸ジャンルの本としても響くところがあるのでは。『エセー』を読みたい人もう読んだ人、ともにおすすめ。2011/04/23