アメリカ未完のプロジェクト―20世紀アメリカにおける左翼思想

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  • サイズ B6判/ページ数 209,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784771011991
  • NDC分類 309.353
  • Cコード C3010

目次

1 アメリカ国家の誇り―ホイットマンとデューイ
2 改良主義左翼の衰退
3 文化左翼
運動とキャンペーン
偉大な文学作品が与えるインスピレーションの価値

著者等紹介

小沢照彦[オザワテルヒコ]
1947年生。静岡県出身。高知大学文理学部文学科卒業。広島大学大学院文学研究科修士課程修了。現在、高知大学人文学部教授
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

フロム

4
基本知識が無いので理解は拾い食いだが、左翼が思弁に逃げ込みがちと指摘するのは非常に鋭い。確かに左翼は既存の体制を批判する側に回りがちで責任を負ってない分、理想主義や誇大妄想に陥りがちで、実際政権与党になった際は現実とそぐわず混乱をきたす。そして挙げ句の果てには内ゲバ発生と。ローティーが唱える左翼は常に実践的であれと言うのは非常に正しいと思う。ただイギリス以外では恐怖政治や独裁以外での左翼政党が存在しないと言う事は左翼システムそのものに何か致命的な欠陥があるようしか思えない。因みに僕は思想的には極左なつもり2020/11/14

ウラー

3
アメリカの左派を、ベトナム戦争前後で政治左派と文化左派とに分け、前者がアメリカの民主主義を信頼し、法整備による社会改良と経済的平等を目指したのに対して、後者はベトナム戦争と黒人差別の現実を見てアメリカに失望し、批判ばかりで経済分野の実践をしていないと批判した。ただし、マイノリティへの差別を減らしたことは文化左派の功績だと認めている。三部構成のうち、第一講義は主張が明快で分かりやすいが、第二講義は事実説明の文章に筆者の主観的評価が入り込むので読みにくい。気持ちがはやって言葉を待てなかったのだろうと想像した。2019/11/27

白義

3
短くて前提知識がなくても分かりやすく、ローティ入門として最高の本。と、同時に社会プラグマティズムの解説書として最高で、今改めて社会を改良したいと願う人はすべからく読むべきと言って過言ではない名著です。アメリカの改良主義左翼を評価し、マルクス主義者や文化左翼、過激主義にきっぱり背を向ける姿勢やあくまで傍観者ではなく堅実な参加者となり、リベラルなアメリカの誇り、ナショナリズムを積み上げていくことなど日本的左右図式では全くくくれないリベラル思想家の面目躍如でしょう2011/06/26

スズキパル

1
20世紀初頭から1960年代まで影響力を持った、アメリカ国家を「民主主義」と同一視し、その完成を目指す、世俗的で愛国主義的な「改良主義左翼」を擁護する一方で、国家に対し傍観者的態度を取り、社会の経済的格差の問題に目を向けず、文化的抑圧の問題とアメリカ国家の罪の糾弾に力を入れる近年の左翼を「文化左翼」として批判。アメリカの進歩の背景にある「エリートと大衆の協力関係」も肯定的に評価している。冷戦崩壊後、マルクス主義の影響力が失われつつある中で、アメリカ的な「改良主義」が持つ意味は大きいと感じた。2015/05/06

たぬき

1
共通原理がアメリカの民主主義というのが 左翼の認識なのか・・・知らなんだ2012/12/13

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