内容説明
教育実践は、指導主体(教師)と学ぶ主体(子ども)とが相互に働きかけ合うなかで、互いに人間として成長し、発達していくプロセスである。子ども自身も、学習の主体として、人間的な願いや欲求をもち、対象に能動的に働きかけて自分の世界を創り自立して生活していく存在である。子どもは学校では計画された教育課程の枠を破り、これを超えていく存在であり、教師は、そのような子どもから働きかけられて人間として成長していく存在、自己否定的に自己を形成する存在―日々教師になる存在である。今日の教育改革を、このような教育実践の事実からとらえ直し、教育実践を教師と子どもとが共同してより豊かなものにしていくことができる改革、つまり、内側からの改革を目指すべきだと本書は説く。
目次
第1章 人格形成と教育実践の課題
第2章 教育課程(カリキュラム)編成論
第3章 学習指導論
第4章 生徒指導の意義と課題―生きる力をどう培うか
第5章 教育評価の理論と課題
第6章 現代教師論―教師教育の現状と課題
第7章 家庭と地域の教育力
第8章 教育思想の遺産に学ぶ―西欧・近代教育思想の展開
第9章 日本の学校教育改革の展開