内容説明
本書の構成は3部からなり、第1部は東アジアの成長と変貌を取り上げる。そこでは貿易と成長の関係を中心に分析を行い、さらに成長にともなう金融市場の問題点や、今回の経済危機についても分析を行う。第2部では経済発展の比較研究という視点から、東アジア諸国と、ラテンアメリカ諸国の経験、日本型モデルの特徴との対比、そして東アジア型開発モデルとしての新しいベトナムの例を取り上げる。第3部に入っては、東アジア諸国の経済開発とは切り離せない政治権力の問題、および安全保障という政治的側面からアジアを概観する。
目次
第1部 東アジア経済の成長と変貌(東アジア途上国輸出主導型成長の諸相―1980年以降の経験から;90年代のアジア金融市場の発展と歪み、危機への経路;東アジアの経済混乱とその波及)
第2部 経済政策と構造変化(ラテンアメリカの経済改革の評価―東アジア型開発政策のラテンアメリカの適応可能性の視点から;日本の経済発展とアジアの高度成長;東アジア型経済開発政策とベトナムのドイモイ政策)
第3部 政治の近代化と国際環境(近代化と初期条件;華僑資本と大中国;アジアの安全保障)