内容説明
啓蒙の完成者かつ超克者であるカントの歴史哲学を、その体系的・論理的観点と形成過程から、啓蒙時代の思想的状況を背景として歴史的にあとづけつつ、聖書の歴史観を鑑として詳細に論じる。あわせて、カントの道徳哲学と美学を扱った4篇をそえる。
目次
序章 啓蒙と歴史
第1章 総論
第2章 『純粋理性批判』まで
第3章 「世界市民的見地における一般史の理念」
第4章 「啓蒙とは何か」
第5章 「人類史の臆測的起源」
第6章 『判断力批判』
第7章 「万物の終り」
第8章 『永久平和論』
第9章 余滴
結び 道徳的人格実現としての歴史(カントのオプティミスムス;嘘について―カント道徳哲学の一問題;嘘について〈再説〉―カントに対する二つの批評;カント美学研究序説)