内容説明
レーガン大統領の「悪の帝国ソ連」撲滅策は挫折し、世界は新たなデタントの時代を迎えた。この変化をひき起こした深部での諸力を明らかにする。日本を再び軍事大国の道へ駆りたてているものは何かその衝動力と過程を80年代政治に探る。史的唯物論からのアプローチ。
目次
序章 政治学の視点
第1章 新しい段階を迎える日本軍国主義(「全方位外交」から「西側の一員」へ―日本外交の転換点;日米安保の新展開―中曽根内閣の登場;新版「大東亜共栄圏」の夢とNATOへの接近―首相のASEAN訪問とウィリアムズバーグ・サミット;日米韓「三角安保」へさらに一歩―全斗煥大統領の来日;日本軍国主義の新段階―中期防衛力整備計画の決定)
第2章 不安定下の保守安定政権(自民党の大勝とその基礎―86年衆参同日選挙;売上税でゆれた自民党―87年統一地方選挙;深まりゆく財政危機―88年度予算)
第3章 新冷戦から再びデタントへ(新冷戦のはじまり―83年米INFの欧州配備;中国をめぐる東西の綱引き―84年東北アジアの国際情勢;レーガン政権の対ソ強行路線のほころび―85年ボン・サミット;6年半ぶりの米ソ首脳会談―85年ジュネーブ会談;SDI問題で根本的に対立―86年レイキャビク会談;INF全廃、核削減への第1歩―87年ワシントン会談)